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マメコバチのこと|盛岡りんごとあなたをつなぐ物語
マメコバチのこと|盛岡りんごとあなたをつなぐ物語
花粉を運ぶ働き者のマメコバチ
「うちではマメコバチが花粉を運んでくれるんです」と目を輝かせる副島さん。
これまで見たことのない、まるで自慢の孫か愛猫について語るかのような笑顔だ。
副島さんをこんな笑顔にさせる“マメコバチ”っていったい……?
副島さんによると、マメコバチはミツバチよりも少し小さい1cmくらいのハチで、ミツバチが2km前後圏内を飛んで花の蜜を運ぶのに対して、マメコバチは約50〜60mの範囲内で花粉を運ぶ。
移動できる距離が短いからと言って侮ってはいけない。
「マメコバチは飛べる範囲は狭いですが、受粉能力はミツバチの50倍とも100倍とも言われていて、とっても働き者なんです」。
それだけたくさん飛び回り、花のあいだを行き来して身体中に花粉をまとわせたマメコバチは巣に帰り、花粉を固めて団子状のものを作る。
その中に卵を産み付けるために。
その花粉の団子が豆のように見えることから“マメコバチ”という名が付いたとも言われているそうだ。
種が多く形の良いりんごを育てる秘訣
りんごは別の品種の花粉がないと実を付けることができない。
副島さんはマメコバチを使った受粉方法を採っているけれど、人の手でひとつひとつ花粉を付けたり、噴霧器で花粉を吹き付ける人工受粉という方法もある。
その中でも副島さんがマメコバチの受粉を使うのには重要な理由がある。
それはりんごの種にかかわりがある。
りんごを剥く時、割ったらすぐに切り落としてしまう種。
でも実は、ひとつのりんごには種が20個入るスペースがあって、種がたくさん入っているほうが品質が良いと言われているのだそう。
種が入るとそのまわりの実が大きくなるため、バランスが取れた形の良いりんごに育ちやすい。
「最低でも種を10個は入れたい」と言う副島さんは「マメコバチは飛び回って1日に何度も受粉するので、種の入りが良くなると言われているんです。だから私の知っている熱心な農家さんの多くはマメコバチを使っています」。
低温で繭を保存し、開花時期に屋外へ
りんごの木のあいだに置かれていた木箱は、マメコバチの巣箱だった。
もともとマメコバチは、河川敷の葦や茅葺屋根など筒状のものの中に小部屋のような巣を作ることから、巣箱には葦(ヨシもしくはアシ)が詰められている。
マメコバチは、最初は葦の奥の方で花粉団子を作り、その中に卵を産む。
1回、産卵すると土で壁を作り、その手前にまた花粉団子を作って産卵する、その繰り返しで、1本の葦の中に8つくらいの部屋をつくる。
まるでマメコバチのアパートみたい!
卵が孵化するとその中の幼虫は花粉団子を食べて育ち、繭(まゆ)を作り、成虫となって休眠する。
自然界だと、その繭の中で育った成虫が春先に飛び立つけれど、農家さんは冷蔵庫に一時保管し、りんごの受粉に適した時期に飛び立つようにコントロールしている。
副島さんは葦を割って中から繭を取り出し、丁寧に洗って冷蔵庫で大切に保管している。
▲冷蔵保存されているマメコバチの繭
繭を洗うなんてちょっとびっくりだけど、繭に付着するダニの一種コナダニを洗い落とすためだとか。
「マメコバチはほとんど手が掛からないのに、約1ヶ月間真面目にたくさん働いてくれるけなげな生き物なんですよ」。
マメコバチは、副島さんのりんごづくりに欠かすことのできない大事なパートナーなんだ。
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